一般企業にみる、医療の現場における多様な人材の活躍の5つのヒント

投稿日: カテゴリー: opinion

4UL伊藤です。私は医療現場で働いた経験はありません(妹が看護師なのでいろいろな話は聞きますが)。一方で、民間の一般企業での勤務経験はそこそこあります。

一般企業でも、医療現場でも多様な人材に活躍してもらわないことには回らない、待ったなしの状況は同じです。取り巻く環境が違えばアプローチももちろん違ってくるし、一般企業でできることが全て他の分野で適用できるわけではないのですが、「医療の現場は違うのだから」という一言だけで、一般企業でのアプローチを完全に拒絶する必要もないのではないか、と思っています。

例えば、考え方の適用は可能です(応用はまた別ですが)。

女性だけでなく、他業種から入ってきた人、何らかのハンディキャップを持っている人、日本を母国としない人、LGBTの皆さんなど、いろいろな方たちに活躍してもらうために、ダイバーシティのコンサルティングをしてきた経験から、次の5つの取り組みが効果をもたらす可能性があると考えています。

 

1 経営トップが本気で多様な人材を活かすのだ、と決心して、それを周りにも継続して伝える

国をあげて一億総活躍推進を謳っている昨今、多様な人材を活かしたくない、という経営トップはいないでしょう。でも、本気かどうかは別です。本気でもきちんとそれを周りに伝えているかはまた別です。

縁があって一緒にいるメンバーが元気に活躍してくれなければ、事業が立ち行きません。どの会社、どの現場にも余裕はありません。誰もが活躍してもらわなければ会社が、現場が困るのです。その意味で、人材の活躍支援は福利厚生ではなく、経営戦略そのものです。

 

2 その当事者自身にアクションを考えてもらう

良かれと思って考えたアクションプランも、当事者から見るとずれている、ということは往々にしてあります。実施に移す前に、当事者となるメンバー複数をグループにして、プランを事前チェックしてもらったり、自分たちでアクションプランを考えてもらう、といった取り組みはとても有効に働きます。

同じようなメンバーが集まることで、ネットワークも生まれます。

 

3 制度やしくみを「後押しする形」として整える

かけ声だけでなく、実際に誰もが活躍できるようにするための制度やしくみの整備はもちろん重要です。身体的なハンディキャップを持つ人が仕事をしやすいような職場環境にする、日本語が母国語ではない人のための表示を追加する、時間的に制約がある職員のための時短制度やフレックス制度を導入するなど、いろいろな制度やしくみを少しずつ作っていくことは、変わろうとする現場を支える土台になります。

 

4 職場の雰囲気を変えるには時間がかかる。だからこそずっと取り組む

これまで多様な人材がいなかったところで、いきなり「さあ、皆さんに活躍してもらいましょう」と言っても、頭は理解しても気持ちがついていかない、ということはよくあります。特に勤続経験が長ければ、それまでの環境が一番仕事がしやすいわけで、好き好んで新しい環境に変えるモチベーションはないでしょう。

せっかく3のように制度が新しく整備されても、使ってもいい、という雰囲気を出さなければ絵に描いた餅になってしまいます。当事者の皆さんは、会社が本気で運用する気があるかどうかは、職場の上司を始めとするみんなが「ぜひ使って」というサポートをしてくれるかどうかで判断しています。

経営トップが言い続ける。しくみを導入する。小さな成功をみんなにニュースとして伝える。そんな取り組みが少しずつ現場を変えていきます。たまには外部の方の話を聞いてみるのもいいかもしれません。

 

5 取り組みの効果を定期的にチェックする

一度始めた新しい取り組みが本当に効果的かどうかは、チェックしていかないとわかりません。アンケートをとったり、ヒアリングしたり、実際の数字に現れてくるものを確認したりといったいろいろな形で効果測定をした上で、取り組みの微調整をしていくことでよりよい効果をだしていくことができます。

 

医療の現場でも、多様性を活かす取り組みを考える際の(当たり前すぎることですが実際実行できているところが少ない)ポイント、参考にして頂ければと思います。